ブライダルインナー内容の要約
夫婦の間に交わされる贈りもので効率だけ考えるのなら、本人が欲しい物を勝手に買い、あとから請求書を回すというのがいちばんいい方法だろう。
結婚記念日のたびに、自分の欲しいものをカードで買い、夫に「サンキュー」と言うだけの妻がいる。
本人同士がそれでよければ口出しすることもないが、私はなんだか味気ないなと思う。的はずれであろうが、サイズが違っていて無駄になろうが、私は私のためにこっそり選んでくれた贈りものを受けとるほうがずっとうれしい。
そういえば、知り合いにこう尋ねられたことがある。「よくスウィート・テン・ダイヤモンドって宣伝しているでしょう? ほら、結婚十周年を記念して、夫が妻に贈る指輪。あれって、もらってうれしいのでしょうか。だって、あの指輪のお金は、結局は生活費から出ているわけですよね。どっちにしても、二人のお金から出たものをもらって、奥さんはうれしいものなのかな」と。
彼女はまだ独身である。
確かに、スウィート・テン・ダイヤモンドは煮ても焼いても食えない。そんなものを買うくらいなら、生活費の足しにしたほうがいいのではないかと思うのもよくわかる。
けれども、私は、もし私がスウィート・テン・ダイヤモンドをもらったら、とても喜んだと思う。たとえそのために生活費がピンチになって粗末な食事が続いたとしても、クリーニング代を節約するためワイシャツを手洗いするはめになっても、やっぱりうれしい。
夫がスウィート・テン・ダイヤモンドという生活感のないものに夫婦の財布を聞けたことに幸福を感じるからだ。夫婦の財布は、原則として、生活感にまみれたものを買うときに聞く。
そこから出たお金で食べているのだから、当然だ。だからこそ、生活とは関係のないもののために財布が聞いたという事実に、妻の心はふるえるのだ。
そこが、夫婦の財布と銀行の預金が違うところだ。銀行の預金からはお金しか引き出せないが、夫婦の財布からは、お金以外のものも引き出すことができるのである。
だからこそ、世の夫婦たちは一つの財布をはさんで、年がら年中、笑ったり、怒ったり、悔やんだり、喜んだりと忙しいのだと思う。今、私はびっくりしている。
本当に、びっくりしている。
「結婚しても素敵でいるためにはどうしたらいいのか」について考えながら、うまく考えられずにウンウンうなっていると、息子が部屋に入ってきて、「どしたのよ」と、尋ねる。
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